はじめに
「チラシって、今どき効くんですか?」
集客の相談をいただくとき、こんなふうに聞かれることが多い。
SNS広告やMEO対策が話題に上がる中で、ポスティングはなんとなく”オワコン”扱いされている印象がある。正直、最初は僕自身もそう思っていた。
でも、実際にやってみたら全然そんなことはなかった。
チラシ3,000枚を投函したら来店8件。
反響率にすると約0.27%。業界平均の数字とほぼ重なるこの結果が、「アナログだから効かない」という思い込みをきれいに壊してくれた話を今日は書く。
ポスティングを「アナログだから」と侮っていたのは、僕のほうだった
このフィットネスジムの支援を始めたとき、そのオーナーはポスティングに対して特に懐疑的でも楽観的でもなかった。
むしろ「他の集客手段をほとんど知らない」という状態で、ある意味ニュートラルにポスティングを受け入れていた。
懐疑心を持っていたのは僕のほうだ。
Web制作やSNS広告、LINE運用など、デジタル系の施策を中心に動いてきた人間として、「今さらチラシか」という気持ちが正直あった。
ただ、「人生初のポスティングで経験もないけど、やってみることに意味がある」と考えて、実施することにした。
結果が出たとき、オーナーは想定以上の数値に驚いていた。でもそれ以上に驚いていたのは、たぶん僕自身だったと思う。
チラシ3,000枚で来店8件。何をどう工夫したのか
来店8件という結果は、何も考えずにチラシを撒いて出た数字ではない。
企画・デザイン・投函・効果測定のそれぞれで、できる工夫を積み重ねた結果だ。
一つひとつ説明していく。
エリア選定:「買える人」が住んでいる場所を狙った
このジムのパーソナルトレーニングは、最低でも10万円台という価格帯だった。沖縄の所得水準を考えると、決して安くない。
そのため、ジム近辺へのポスティングを基本としながら、意識的に一軒家への投函を少し増やした。
マンションより一軒家のほうが、ある程度の収入層が住んでいる可能性が高いと判断したためだ。
根拠は感覚的な部分もあるが、「買える可能性がある人」に届けることを最低限意識した。
デザインとオファー:「語りすぎない」バランスで
このジムのメインターゲットは女性。
強みも女性向けのパーソナルトレーニングだったため、まずビジュアルで引っ張る構成にした。
キャッチコピーは「あなたの貴重な2時間を、私にください。」というシンプルなもの。
端的で、でも目を引く。
情報を詰め込みすぎず、必要なことは確実に載せる。
そのバランスにこだわった。
特典は「約10,000円のパーソナルトレーニング1回券が無料」という内容にした。
ここにも少し工夫がある。通常の体験は数千円の価格設定だが、そもそも実際にサービスを購入した場合の1回分の価格は約10,000円。
「体験」という表現ではなく「1回券」という言い方にすることで、特典の価値がより高く見える設計にした。
数字は大きく目立つよう配置した。
投函方法:ポストを開けた瞬間の「最初の印象」を設計した
地味に見えて、じつはここがこだわりポイントだった。
チラシをポストに投函する向きを、「ポストを開けたときにチケット面だけが見える」ように統一した。
チラシのチケット風デザインの面が最初に目に入るよう、意図的に配置したということだ。
これをやったことで反応率がどのくらい変わったかは正直測れない。
でも、0.1%でも反応率を上げるための細部の積み重ねが、最終的な結果を作ると思っている。
「どうせ誰も見ないから雑でいい」という判断が積み重なると、取れるはずの成果を取りこぼす。
効果測定:制約があってもできることを探る
このとき、経路分析ができるLINE公式の拡張ツールをまだ導入していなかった。
QRコードで来店経路を分析する方法は使えなかった。
「チラシを見た」と申告してもらう方法も候補に上がったが、それだと正確性に欠ける。
そこで採用したのが「チラシをそのまま持参してもらう」という方法だ。
チラシ自体をチケット風のデザインにしていたことで、持参するハードルも下がったと思う。
ちなみに別の機会には、QRコードに経路情報を埋め込んで来訪を計測する方法も実際に試している。
今後の記事でその話も書けたらと思っているが、こういう制約の中でも「じゃあどうするか」を考えて雑にしないことが、次の検証につながっていく。
そもそも、なぜポスティングは今でも効くのか
ポスティングが「オワコン」と思われがちな理由はわかる。
デジタル広告のほうがターゲティング精度は高いし、効果測定もしやすい。それは事実だ。
ただ、ポスティングには一つ大きな強みがある。
「まだ積極的にジムを探していない人」に届けられることだ。
SNS広告や検索広告は、すでに興味を持っているか、能動的に探している人に刺さりやすい。
一方でチラシは、ポストを開けた瞬間に視界に入る。今まで「ジムに行こう」と思っていなかった人の目にも触れる。
こういう「潜在層へのアプローチ」ができるのが、ポスティングの本質的な価値だと思っている。
地方・沖縄の場合は特に、「ネットを積極的に使わない層」がまだ一定数いる。
そういう人たちへのリーチ手段として、チラシは今でも十分に機能する。
ROI(費用対効果)をざっくり計算してみると
詳細な数字は身バレ防止の観点でぼかすが、このケースの費用対効果をざっくり整理してみる。
チラシの印刷・投函にかかったコストは、規模感として数万円台だった。
来店8件のうち複数件が契約に至り、最低価格帯のサービスを換算してもコストの数倍以上の売上が生まれた計算になる。
顧客獲得単価(CPA)でみると、デジタル広告と比べても十分に競争力のある数字だったと感じている。
「チラシは高い」というイメージを持っている方もいると思うが、エリアを絞ってターゲットを意識した投函をすれば、思っているよりも費用対効果は出しやすい。
まとめ
ポスティングはオワコンじゃない。少なくとも、僕はそう確信している。
ただし「ただ撒けば成果が出る」わけでもない。エリアの選び方、デザインの工夫、特典設計、投函の細部、効果測定の仕組み。こういう積み重ねが、0.1%の反応率の差を生む。
デジタルが得意な人ほど「アナログは非効率」と切り捨てがちだが、実際に手を動かしてみると、意外なほど理にかなった施策だとわかる。
僕がそうだったように。
地方の中小事業者にとって、ポスティングは「今すぐ検討できる、コストを抑えた集客手段」のひとつとして十分に選択肢に入ると思っている。
もし集客の打ち手に迷っていたら
この記事を読んで「自分のお店でも試してみたい」と思った方や、「何から手をつければいいかわからない」と感じている方は、一度相談してみてください。
押しつけるつもりはないので、「この人の話を聞いてみたい」と思った方だけで構いません。
ポスティングに限らず、Web・チラシ・SNS・LINE運用など、あなたの事業の状況に合わせて一緒に考えます。
